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2012年09月13日

今日の1問!平成24年 東京特別区1類 専門 問9 行政法

こんにちは。
東京アカデミー町田校の福島です。

今日の1問!
平成24年 東京特別区1類 専門 問9 行政法です!



No.9 国家賠償法に規定する公務員の公権力の行使にかかる損害賠償責任に関する記述として、最高裁判所の判例に照らして、妥当なのはどれか。

1 国又は公共団体が損害賠償の責任を負うのは、公務員が主観的に権限行使の意思をもってした職務執行につき、違法に他人に損害を加えた場合に限られ、公務員が自己の利を図る意図で、客観的に職務執行の外形を備える行為をし、これにより違法に他人に損害を加えた場合には、損害賠償の責を負うことはない。

2 加害行為及び加害行為者の特定は、損害賠償責任発生の根幹となるので、公務員による一連の職務上の行為の過程において他人に被害を生ぜしめた場合にそれが具体的にどの公務員のどのような違法行為によるものであるかを特定できないときは、国又は公共団体は、損害賠償の責を負うことはない。

3 行政処分が違法であることを理由として国家賠償の請求をするについては、まず係争処分が取消されることを要するため、あらかじめ当該行政処分につき取消又は無効確認の判決を得なければならない。

4 国家賠償法にいう公権力の行使とは、国家統治権の優越的意思の発動たる行政作用に限定され、公立学校における教師の教育活動は、当該行政作用に当たらないので、国家賠償法にいう公権力の行使には含まれない。

5 裁判官がした争訟の裁判につき国の損害賠償責任が肯定されるためには、その裁判に上訴等の訴訟法上の救済方法によって是正されるべき瑕疵が存在するだけでは足りず、当該裁判官がその付与された権限の趣旨に明らかに背いてこれを行使したものと認めうるような特別の事情があることを必要とする。





正答 5
≪難易度C≫
肢1;最判昭31.11.30民集10巻11号1502頁は、「(国家賠償法)1条は公務員に主観的に権限行使の意思をもってする場合にかぎらず自己の利をはかる意図をもってする場合でも、客観的に職務履行の外形をそなえる行為をしてこれによって、他人に損害を加えた場合には、国または公共団体に損害賠償の責を負わしめて、ひろく国民の権益を擁護することをもって、その立法の趣旨とするものと解すべきである」と判示しており(準拠テキスト行政法140頁)、本肢は誤り。いわゆる外形理論です。

肢2;最判昭57.4.1民集36巻4号519頁は、「国または公共団体の公務員による一連の職務上の行為の過程において他人に被害を生ぜしめた場合において、それが具体的にどの公務員のどのような違法行為によるものであるかを特定することができなくても、右の一連の行為のうちのいずれかに行為者の故意または過失による違法行為があったのでなければ右の被害が生ずることはなかったであろうと認められ、かつ、それがどの行為であるにせよこれによる被害につき行為者の属する国または公共団体が法律上賠償の責任を負うべき関係が存在するときは、国または公共団体は、加害行為不特定の故をもって国家賠償法上または民法上の損害賠償責任を免れることができないと解するのが相当であ」ると判示(準拠テキスト行政法140頁)。したがって、本肢も誤り。

肢3;国家賠償の請求は、行政行為の法的効力とは無関係です。すなわち、国家賠償制度は、違法な国家行為によって現実に損害が生じているという事実に着目してその賠償を求めるものです。これに対して、行政事件訴訟は行政行為の法的効果を否認し、それによって課された法的義務・拘束を免れようとするものです。両者は趣旨を異にするため、予め行政行為の取消し等をしておかなくても、国家賠償を求めることができます(最判昭36.4.21民集15巻4号850頁。準拠テキスト行政法151頁)。したがって、本肢は誤り。

肢4;国家賠償法1条にいう「公権力の行使」について、判例は、いわゆる広義説(純粋な私経済作用と2条にいう営造物の管理作用を除くすべての作用を『公権力の行使』に含める見解)を採用しており、公立学校での教育活動について国家賠償法1条の問題としています(最判昭62.2.6判時1232号100頁。準拠テキスト行政法134頁)。したがって、本肢は誤り。

肢5;正しい(最判昭57.3.12民集36巻3号329頁。準拠テキスト行政法135〜136頁)。
posted by 東京アカデミー町田校 at 01:00| 公務員(大卒程度) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする