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2012年06月01日

平成24年 特別区T類民法の問題

こんにちは。
東京アカデミー町田校の福島です。

今日は、15時ごろに大雨雨が、
夕方に大きい地震がありましたネ。
町田は震度3だそうですが、
結構大きい揺れを感じました。
みなさんも再度、地震に対する備えを。

さて、今日の1問。
平成24年の特別区T類の専門【No.12】民法から。

【No.12】民法に規定する取消しに関する記述として、通説に照らして、妥当なのはどれか。

1.取り消すことができる法律行為について、
  相手方が確定している場合には、
  当該法律行為の取消しは、
  必ず相手方に対する書面による通知によらなければならない。
2.取り消すことができる法律行為について、
  未成年者は、法定代理人の同意があれば
  当該法律行為を取り消すことはできるが、
  法定代理人の同意があっても追認することはできない。
3.取消しにより法律行為が遡及的に無効となり、
  不当利得による返還義務が生じた場合、
  制限行為能力者については、
  その行為によって
  現に利益を受けている限度において返還すれば足りる。
4.詐欺によって取り消すことができる法律行為を取り消した場合、
  その法律行為は遡及的に無効となり、
  取消し前の善意・無過失の第三者にも対抗することができる。
5.取り消すことができる法律行為について、
  取消しの原因となっていた状況が消滅する前に全部又は一部の履行があったときは
  法律関係の安定を図るための追認をしたものとみなされる。




正答 肢3
肢1;取り消すことのできる行為の相手方が確定している場合には、その取消しは、相手方に対する意思表示によって行います(民法123条)。その際の取消しの「意思表示」の方法は問いません。したがって、本肢は誤りです。

肢2;前段は誤り。未成年者は取消権者なので(民法120条1項)、意思能力があれば自ら取り消すことができ、法定代理人の同意は必要としません。したがって、本肢も誤り。
 後段は正しいです。取り消すことができる行為、民法120条が規定する者(取消権者)が追認したときは、以後、取り消すことができません(122条本文)。追認は、取消しの原因となっていた状況が消滅した後、これをしなければ効力を生じません(124条1項)。したがって、制限行為能力者は、行為能力者となった後でなければ追認はできません。それ以前の追認は、無効であり、取り消しうる状態が継続することになります。ただし、未成年者は、法定代理人の同意があれば追認ができます。

肢3;正解です。取り消された行為は、初めより無効であったものとみなされます(121条)。取消しにより、法律行為は遡及的に無効になるので、不当利得による返還請求が認められます(703条以下)。ただし、制限行為能力者は、その行為によって現に利益を受ける限度において償還の義務を負うだけです(121条但書)。

肢4;取り消された行為は、初めより無効であったものとみなされます(121条)。取消しにより、法律行為は遡及的に無効になるので、不当利得による返還請求が認められます(703条以下)。ただし、96条3項は、「詐欺による意思表示の取消しは、これをもって善意の第三者に対抗することができない」としています。したがって、本肢は誤りです。なお、96条3項の第三者に無過失を要するか、という議論がありますが、肯定説・否定説どちらを採ったとしても、本肢は誤りになります。

肢5;客観的に追認とみられる一定の事由があると法律上当然追認したものとみなされます。これを法定追認と言います。相手方の信頼の保護と、法律関係の安定が求められるからです。124条の規定により追認をすることができる時以後に、取り消すことのできる行為について、125条1号以下の事実があったとき(設問のように「全部又は一部の履行」など)は、追認をしたものとみなされます。本肢では「取消の原因となっていた状況が消滅する前に」とありますが、125条は「追認をすることができる時以後」(肢2の解説を参照)としていますので、本肢は誤りです。


posted by 東京アカデミー町田校 at 21:59| 公務員(大卒程度) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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